歯科の豆知識

一日の食物繊維、不足分はこの食べ物!

食べ物のおいしい季節がやってきました!
ついつい食べ過ぎてしまいがちなこの季節に、オススメなのが食物繊維です。

食物繊維は腸にいい!ってよく聞きますよね?

実は食物繊維のすごいところはそれだけではありません!

繊維質の食品を噛むことで、歯の表面が清掃されたり、唾液の分泌促進、アゴの発達につながったりする効果が
報告されています。

また欧米では一日あたり24g以上の摂取で心筋梗塞のリスク低下が観察されるとの研究報告もあります。

こういった食物繊維と全身のさまざまな生活習慣病との関連性は、徐々に明らかとなってきており、近年、積極的な
摂取が推奨されている重要な食品成分でもあるのです。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18 g以上、男性21 g以上を食物繊維の1日の摂取目標
量として定めていますが、「平成30年国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均摂取量は14.4gで明らかに不足
しています。

食物繊維は穀類、野菜、果物、海藻、キノコ、豆類などの植物性食品に多く含まれていることから、肉や乳製品を中心
とする食事の欧米化とともに摂取量が激減したと考えられています。

 

■食物繊維はバランスよく摂取しましょう

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類が存在し、水溶性には糖や脂肪の吸収をゆるやかにする働きがあり、不溶性には
便の容積を増やして排便を促す働きがあります。

それぞれに役割が異なるため、どちらか一方だけを摂ればいいというものでもなく、双方のバランスが大切です。

特に不溶性食物繊維は普段便秘気味の人が摂りすぎると、かえって便秘を悪化させてしまいます。何事も適切な量を心
がけましょう。

 

■この季節イチオシの食物繊維食材は、なんといっても “さつまいも” です!

さつまいもにはコラーゲン生成のもとになるビタミンCや、細胞の老化を防ぐビタミンEが豊富に含まれています。
女性にとっては嬉しい栄養素ですね。

中でもビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い性質を持っているため、生で食べないと効果を得にくいのですが、
さつまいもに含まれる“でんぷん”にはそれらを防ぐ働きがあり、効率よくビタミンを摂取することができます。

また、さつまいもは不溶性食物繊維を多く含む食材ですが、皮に存在しているヤラピンという成分が便をやわらかく
する作用をもつため、便秘でお悩みの方はぜひ皮ごと食べてみてください。

 

ちなみに、さつまいも100gに含まれる食物繊維量は2.3gです。

一般的に焼き芋にして食べるサイズは150~250gほどの重さですので、1本食べるだけでおよそ3.5~5.8gの食物繊維
を摂ることができます。

つまり、いつもの食事にさつまいもを1本加えるだけで、不足分の食物繊維を補うことができるのです!

焼き芋・蒸し芋にするだけでなく、プラス食材としてごはんやお味噌汁の具に加えてみるのはいかがでしょう。
お子様にはスィートポテト、さつまいも入り蒸しパンなども喜ばれそうですね。

当院には管理栄養士が常駐しております。わからないことや聞いてみたいことなどあればお気軽にスタッフまで
お声がけくださいね。

 

 

参考:厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)、「平成30年国民健康・栄養調査」
監修:管理栄養士 栗木ちあき