歯科の豆知識

仮歯が治療のクオリティーを左右する?

今日はクリスマスです!おいしいケーキが食べたくなりますね。
食べたあとにはぜひ、歯みがきをお忘れなく。

今回たけち歯科からは「仮歯」のお話をお届けします。

せっかく被せ物を入れるのなら、ピッタリ収まって噛み心地の良い被せ物がいいですよね。
そのピッタリの被せものをするためにも重要なのが「仮歯」なのです。

この「仮歯」とは歯の治療や、被せ物の製作中など、治療途中の歯に被せる人工の歯のこと

です。この仮歯、治療中の歯の見た目をよくするためだけに使われていると思われる方が多いか

もしれませんが、仮歯はそれ以上にとっても重要な役割を担っているのです!

 

■仮歯には大切な使命がある!

仮歯の重要な役割を細かく見てみましょう。

①削った歯を細菌感染や汚れ、刺激から守る 

削った歯をそのままにしておくと、細菌に感染しやすくなります。仮歯で感染を防ぐのと同時に
しみる症状が減ります。

 

②歯型を取ったあと歯が動かないよう固定する

歯は毎日ちょっとずつ動いています。仮歯はかぶせ物を作っている間に歯が動いてしまわないように
固定する役目も担っています。特にかぶせ物を作るために型取りしたあとの仮歯は重要です。

 

③「噛める状態」を維持する

噛み心地を感じるセンサー「歯根膜」が歯の周りにあります。この歯根膜は、しばらく噛んでいなかった
ところへ、被せ物が入って噛みだすと過剰に反応して違和感を感じやすくなります。歯根膜を怠けさせない
ためにも仮歯を入れて、噛む感覚を与えて本番に備える役目もあるのです。

 

取れやすくてゴメンナサイ

仮歯の重要性はわかったけれど、「なんであんなに取れやすいの?」と思われる方も多いでしょう。
そもそも仮歯は弱いセメントでつけています。その理由は、治療期間中に何度もつけたり外したりするので、
強いセメントでつけてしまうと、外しにくくなり、治療中の歯を痛めてしまうからなのです。

■仮歯と上手につきあうために

治療中の大切な歯を守ってくれる仮歯との上手なお付き合いをすることで、治療もはかどります。
ぜひ以下のことに気を付けていただけたらと思います。

 

仮歯で強く噛まないで!

耐久性よりも、形の調整などがしやすいプラスティック素材が使われています。
そのため強く噛むと取れたり、割れやすかったりします。
仮歯のときは硬いものを噛まないように気を付けましょう。

 

くっつくものはしばらく我慢!

仮歯はグミやキャラメル、おもちなどにくっついて取れてしまう原因になるので、
ちょっと我慢してくださいね。

 

お掃除は丁寧に!

仮歯は本来の被せ物ほどピッタリに調整されていません。歯と歯ぐきの間の段差に汚れが
たまりやすくなるので、普段よりも丁寧に磨くようにしてください。

でも、フロスや楊枝は仮歯にひっかかりやすいので、使わないようにしましょう。

 

取れたらすぐに連絡を!

仮歯がとれて放置していると、歯が動いてしまいせっかく作っている最終的なかぶせ物が合わなく
なってしまいます。かぶせ物を作るため型取りしたあとの仮歯には特に気を付けましょう。
また、取れたり割れた仮歯でもまだくっつけて使えることもあるので、捨てずに一度ご連絡ください。

 

仮歯はあくまでも仮歯です

「仮歯でも見かけも悪くないし、しばらくはこれでもいいかな」と予約をキャンセル。
なんてことはしないでください!

仮歯は汚れたり、壊れたりしやすい素材でできているので長期の使用はむし歯の再発や歯の移動による
噛み合わせのズレが起こる原因になります。

 

仮歯と上手につきあって、大切にすれば、いざ本番の被せ物を入れる時にも、スムーズに調整が可能です。
快適なかぶせ物をするためにも、型取り後一ヶ月くらいのうちには本番の被せ物をいれられるように
ご協力おねがいいたします。

 

 

 

参考:引用 nico 『2019年7月号P.10~P.21知ってる?仮歯の大事な役割。』クインテッセンス出版(株)