歯科の豆知識

寝ると聞こえる音の正体!

夜中になると「ギリッ、ギリッ」「キリキリ~」「カチカチ」と何ともいえない不審な音が聞こえてくる…。音の正体を探っていくと、隣で寝ている家族の「歯ぎしり」だった!

そういう経験をお持ちの方も多いと思います。

または、家族から「歯ぎしりしているよ」といわれたことがありませんか。

「歯ぎしり」は音がするので、まだわかりやすいですが、音がしにくい「食いしばり」は発見されにくく、さらに厄介。どちらも寝ている間に起こるので、自覚しにくい点が困りますよね。

 

■こんな症状ありませんか

朝起きた時顎が疲れている、奥歯が痛い

慢性的な頭痛や肩こりがある

歯が欠けたり、割れたりしたことがある

頬の内側に噛んだ跡がある

舌の側面がデコボコしている

集中すると無意識に歯を食いしばっている

歯が異常にすり減る

歯の詰め物が頻繁に外れる

などの症状がある場合は「歯ぎしり・食いしばり」も疑ってみてください。

 

■なぜ起こる?歯ぎしり、食いしばりのメカニズム

「歯ぎしり」のメカニズムはまだ完全にはわかっていません。遺伝、ストレス、かみあわせの悪化、喫煙、飲酒、逆流性食道炎など、色々な原因が考えられます。

しかし意外にも寝ている間に歯を食いしばり、歯ぎしりすることで無意識にストレスを解消している部分もあるそうです。ストレス社会で生きる私達、「寝ている間にストレス発散できているなら
ラッキー!」と思うかもしれませんが、その反面、歯へのダメージは相当かかります。

なぜなら、歯ぎしりや食いしばりをしているときは上下の歯どちらにも約50~100キロ程度の圧がかかっています。食事のときでもだいたい30キロ程度なのに。歯ぎしりも食いしばりも無意識で行われるため噛み込む力に抑制が効かないからです。

 

■いい歯ぎしりと悪い歯ぎしり

歯ぎしりにも「良い歯ぎしり」と「悪い歯ぎしり」があるのをご存知でしたか?

その判断基準は「噛み合わせ」にあります。

 

・良い歯ぎしり=犬歯の先でギリギリする→ストレス発散につながる

(長くて丈夫な犬歯で歯ぎしりの力を受け止めるので他の歯に負担がかかりません)

 

・悪い歯ぎしり=犬歯がガッチリ噛み合わない→口腔内トラブルにつながる
(奥歯に直接強い力がかかり、下あごが回転しやすくなり広範囲に歯が削れてしまう)

 

■悪い歯ぎしりは、どんな悪さをするのでしょうか

「悪い歯ぎしり」で起こる症状として…

・歯がすり減って知覚過敏になったり、噛み合わせも変わってしまう

・歯にヒビが入って虫歯の原因になる

・歯の内側、歯根の硬いふくらみ「外骨症」になり、口腔内が狭くなる

・せっかく治療した歯のかぶせ物が取れたり、割れたりする

・かぶせ物に隙間ができ、細菌感染してしまう

ここからさらに付随して顎関節症、歯周病の悪化、頭痛や肩こり、耳鳴り、歯並びが悪くなったり、あご周辺の筋肉が発達しすぎてエラが張った印象になったりします。

 

■悪い歯ぎしりから歯とあごを守る!ナイトガード

よい歯ぎしりはストレス軽減にも役立っているので、無理にやめる必要はありませんが、悪い歯ぎしりにはきちんと対策しなければなりません。

そこで、一番おすすめなのが「マウスピース」を装着することです。

マウスピースは歯ぎしりや食いしばりによる不具合、歯やあごの負担を軽減、保護のために使用されます。

また、アスリートや運動をする人にもおススメです。案外スポーツ競技中にぶつかった衝撃などで上の前歯を打ったり、折れたり、ぐらついたりすることがあります。競技によってはマウスピースの着用が義務付けされているものもあるくらいです。

今回はマウスピースの中でも寝る前に歯に装着、就寝中悪い歯ぎしりによる影響を緩和するために使用する「ナイトガード」をご紹介します。

最近はネットなどでも簡単に手に入るナイトガードですが、歯科医院なら患者様ひとりひとりの歯型をとって、その人にピッタリのナイトガードを作ることができます。歯の形や症状は人それぞれ違いますので、やはりきちんと歯科医院でつくることをお勧めしたいですね。(健康保険適用あり)

 

■ナイトガード(マウスピース)の効果はいかに?

歯のすり減りを防げる(その分マウスピースが削れます)

歯ぎしり、食いしばりによる歯や顎への負担を分散できる

歯の割れ、修復した箇所の保護できる

特にセラミックなどかぶせ物や詰め物破損防止できる

歯の位置をキープできる

顎関節への負担が軽減できる

 

ナイトガードにはソフトタイプ(ポリエチレン樹脂)ハードタイプ(硬い樹脂)がありますが、食いしばりの激しい方にはハードタイプがお勧めです。やはり初めて装着するときには、違和感があるかもしれませんが、それもすぐに慣れていきます。装着時の違和感よりも、朝目覚めたときの顎の痛み、疲れがないメリットの方が大きいでしょう。

また、就寝時だけでなく、日中でも作業に集中すると自然と噛み込んでいるという方は、ぜひマウスピースをはめて作業してみてください。あごの痛みや肩こりも軽減されていくと思います。

ただし、お手入れのときは、マウスピースもナイトガードも熱湯は使用しないでください。熱湯消毒になると思ってかけてしまうと、変形したり溶けたりすることがありますので、注意してください。水かぬるま湯で軽く手洗い(または歯磨き粉をつけずに柔らかいブラシで洗う)洗浄剤につけて洗浄することをおすすめします。

 

 

 

参考:引用 nico『2019年1月号P.8~P.21 』クインテッセンス出版(株)